この記事では、『春嵐』/johnの音域について解説していきます。春嵐は、johnさんの出世作ともいえるボカロ曲です。これまでのボカロ曲とは一線を画すような斬新な曲であり、「クリエイターとファンとの拗れた関係」をテーマにした風刺的な歌詞で人気を集めています。また、カラオケではJOYSOUND、DAMともに収録されています。
春嵐の音域
春嵐の音域について、下の鍵盤の画像を用いて説明していきます。
春嵐の最高音はhihiD、最低音はmid2Cです。2オクターブを超えるとても広い音域をもっています。最低音は平均的ですが、最高音が異常です。hihiCでも十分高すぎるというボカロ曲界隈で、hihiDは稀に見る高さです。裏声でも歌うことはおろか、出すことすらできない人がほとんどです。原キーで歌うことは難しいので、キーを適切に変えるべきです。ただ、最高音を合わせようとして最低音が出せなくなる、ということがないように注意しましょう。
春嵐と音域が近い曲は?
春嵐と音域が近い曲には、こんなものがあります。
ヒトリユラリ:mid2C~hihiD
乙女解剖:mid2B~hihiC#
「春嵐を歌ってみたい!」と思う方には、上にあげたような曲も音域が近いためおすすめです。ぜひ一度歌ってみてください!これらの曲の音域の解説は、上にあるリンクから飛べますので、読んでみてください。
春嵐の最高音・最低音の場所
春嵐の最高音・最低音は、それぞれどんな場所で出てくるのでしょうか?
最高音
最高音のhihiDは、ラスサビで出てきます。この曲ではラスサビで転調が起こり、従来のサビより2音上がっています。
最高音(hihiD)を赤で、2番目の最高音(hihiC)を黄色で塗りました。
揺れる炭酸 飲み干したら サヨナラしましょ
サヨナラして 焦がれたなら また笑いましょう
ラスサビでの最高音がhihiDですので、通常のサビでの最高音はhihiCとなっています。どっちみち高いのは変わりませんが。
最低音
最低音のmid2Cは、Aメロ・Bメロで出てきます。サビとは対比的に、Aメロ・Bメロは低い音域で進みます。
最低音(mid2C)を青で、2番目の最低音(mid2D#)を黄色で塗りました。
虚像に塗れた私
まるで神様みたいね
本当の気持ちとか知ったかぶりで
気味が悪いの妖共め
この曲はBPMが速く、さらに16分音符主体で音程が細かく変化していきます。だから、最低音が出てくる地帯は早口パートも兼ねているのです。
春嵐の演奏区間ごとの音域
次に、春嵐の演奏区間ごとの音域について見ていきましょう。
最初に区間ごとの音域の概要を紹介しておきます。
春嵐の音域は区間ごとに分析すると、このように推移していきます。
Aメロ・Bメロとサビとの音域の乖離が目立ちます。Aメロ・Bメロの最高音であるhiA#が、サビではそのまま最低音になっています。春嵐の音域が2オクターブ以上にも膨れ上がっているのは、このためです。また、Aメロ・Bメロでは最低音のmid2Cが多く登場します。最低音主体の区間から、いきなりhihi域が登場するような高音域の区間に入っていきます。
春嵐の男性が歌いやすいキー
春嵐を男性が歌うには、どのようなキーに設定すればよいのでしょうか?
男性は、原キー-1オクターブ-7(-19)で歌うとよいでしょう。だから、カラオケで歌うときはキーを+5に設定して歌うとよいでしょう。
キーを19個下げることによって、音域はlowF~mid2Gとなり、男性の平均音域とほとんど同じになります。もともと春嵐の音域の広さが男性の平均音域の広さとほとんど同じでしたので、ほぼ一致する音域に移動させることができました。このキーでは、裏声を使う必要性などはないでしょう。
春嵐の女性が歌いやすいキー
春嵐を女性が歌うには、どのようなキーに設定すればよいのでしょうか?
女性は、原キー-7で歌うとよいでしょう。だから、カラオケで歌うときはキーを+5に設定しておくとよいでしょう。
キーを7つ下げることによって、音域はmid1F~hiGとなります。女性の平均音域が完全に含まれる形となっています。ただ、hiGを出す必要があるということで裏声は必須となります。そして、最低音もmid1Fであり、女性の平均最低音より低いです。そもそも春嵐は音域がとても広いので、最低音側にも最高音側にも足が出てしまうのは仕方がないことです。
春嵐の歌い方アレンジ
春嵐は音域の広い曲ですので、そもそも音域の広さが足りないという人も多いのではないでしょうか。ここでは、春嵐の音域を狭くするための歌い方アレンジについて、表でまとめていきます。この中から、あなたが歌えそうなキーのものを選びましょう。
アレンジ方法 | 最低音 | 最高音 | 広さ |
原キー | mid2C | hihiD | 27音 |
原キー-7 | mid1F | hiG | 27音 |
原キー-1オクターブ-7(-19) | lowF | mid2G | 27音 |
サビ1オク下 | mid2A# | hiD | 17音 |
サビ1オク下-1オクターブ | mid1A# | mid2D | 17音 |
アレンジ方法について、詳しく説明していきます。
サビ1オク下
おススメのアレンジ方法は、サビだけ1オクターブ下げて歌うことです。サビだけ1オクターブ下げることで、最高音はラスサビ(1オク下)のhiD、最低音はサビ(1オク下)のmid2A#となります。
そもそも春嵐は1区間ごとの音域は狭く、その音域が区間ごとに大きく異なるという特徴があります。そして、サビとAメロ・Bメロは1オクターブ近く音域が違うので、1オクターブ下げて歌うとちょうどよくなるのです。結果的に、27音だった原曲の音域が、17音にまで狭まります。音域の広さは1.5オクターブ未満になり、相当歌いやすくなるでしょう。
まとめ
ここまで春嵐の音域について詳しく見ていきましたが、いかがだったでしょうか。
春嵐の音域は、mid2C~hihiD。
最低音のmid2CはAメロ・Bメロで、最高音のhihiDは転調後のラスサビで登場します。
2オクターブ以上の音域をもつ、歌う身からすれば凶悪な曲である。ただ、Aメロ・Bメロとサビの音域の乖離がある。ただ、区間ごとの音域の広さはあまり広くない。特に、Aメロ・Bメロの音域の広さは1オクターブに満たない。だから、サビだけ1オクターブ下げて歌うことで、音域の広さは10音も狭まる。春嵐は、工夫次第では十分歌いやすくなる曲である。
☆春嵐は、速いテンポに速い音程の変化が重なった旋律を、いかに正確にとらえられるかがポイント!!
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
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